スパイダー

感情的になることが減れば減るほど、他人の感情に鈍感になるみたいです。

こんなに人の痛みがわからない人間じゃなかったはずだった。
痛みを与えたことをわかっているのに、それが自分の痛みに繋がらない。別個の痛覚が存在しているだけ。


「あなたという人間がわからない。」
繰り返し言われたことに、提示できる答えがなかった。俺はどんな人間なんだろう。

顔色に合わせることしかできない。利用されることでしか存在意義がわからない。
素直に生きればいいのに、とは言われても、今さら本当に何を思ってるのかが自分でもわからない。


愛されても貶されても、どこか他人事に感じた。
俺の作り上げた仮面の品評会をされているようなものだから。

音楽は好きだ。文学も好きだ。
どこか別の世界で、別の誰かになって生きてみたい。俺はそんな人間です。