ホテル屋上の最高級レストランで見た冷ややかな表情と、小馬鹿にしたようなセリフ。
プレゼントは投げ捨てるように脇へ置かれ、時間を気にしながらスマホを見ていたあの人。
翌日、日だまりのような温もりが充満した部屋で、嘘みたいなプロポーズをした。
彼女は「いい奥さんになるね」と涙を浮かべながら言った。
俺は彼女を幸せにしたいのに、いつだって薄汚れている。
薄汚れた俺を、薄汚れたあいつが見下す。無垢なのは彼女だけで、それを幸せにできるのは俺だけだ。
どうせ人生を捧げるのなら、幸せになるべき人のために捧げたい。