化学式をすらすら言えるとかっこいい

強さだか愛情だかの第一歩は、許すことであると昔どこかで聞いた気がする。

許すこと。他人の過ちを受け入れること。
悪意から湧き出た万事を、通り魔的な欺きも、俺は許せていないみたいです。


怒りとかではないのです。過ちに対して怒ったって前進しないから、そんな感情ではないのです。

俺は諦めてしまうのです。理解し合うこと、ひいては安寧の中で共に暮らすことを。

一つの過ちが埋まっていることを知りながら、怯えずに生きていくことができない。過ちは地雷か、はたまた猛毒を宿した植物のようです。

いつか踏み抜いて爆発する気がする。いつか体内に猛毒が流れ込む気がする。
だったら、そんな危険な場所からは離れてしまいたい。そうしてたくさんの人を失ってきました。


でも、最近思うのです。危険な場所から離れたって、世の中は息苦しい。地雷なんて埋まっていやしないはずの土地ですら、安寧の地ではありやしない。

きっと、孤独こそ猛毒なのです。
一人きりで生きていけるほど大気は澄んでいない。空気中に潜んだ微量な物体が孤独感を持つ人間の身体を蝕んで、静かに命を削っていく。


だったら、誰かと生きていけばいいのに。
爆発なんて本当にするか?見たことなんてないのに、想像上で怪物を作り上げているだけなんじゃないか?

静かに朽ちていくよりは可能性がある。希望がある。
誰かと生きて、そして失敗しよう。共に失敗したいと思えた人なら、爆死したって悔いはないだろ。